聴聞手続について
聴聞手続は、①行政庁による通知、②聴聞(口頭審理)、③処分という段階でなされます。営業許可取消を受けるなどの場合で聴聞手続の通知を受けた場合、処分を受けるかもしれない者としては、聴聞期日で処分されるような理由がないことなどを述べなければなりません。そこで下記のようなことを行います。
1.通知を受けてからしなければならないこと
まず、通知を受けてからまずしなければならないことは、処分内容、原因となる事実などの内容(行政手続法15条1項)を確認することです。その際、どういう根拠で処分されたのかを知るために、処分基準(行政手続法11条)を確認しに行きましょう。処分基準は、自分がどういう基準に該当するから処分されるということを知る貴重な資料です。通知に聴聞事務を所掌する組織が記載されていますので処分基準をどこに行けば閲覧できるかを確認の上、行きましょう。なお、確認に行く際には、処分基準を写真に撮るなどができるようにカメラを持っていくとよいです(処分基準を謄写させてくれるならばよいのですが、必ずしも謄写させてくれませんのでそのときは、カメラで撮影しておきましょう)。また、関係する文書などの閲覧もできます(行政手続法18条)ので処分原因に関する事実を調査した内容の文書を確認しましょう。
2.聴聞期日
聴聞期日ですが、出席して言い分を述べる(行政手続法20条)ことや陳述書などを提出する(行政手続法21条)になります。そこで注意してほしいことは、単に情状的なことを述べるのではなく、処分基準や法律に即して自分が本当に処分を受けることにはならないことを述べましょう。処分される理由がないことを述べることが重要なのです。聴聞手続は、残念なことにその手続内で処分が見直されることは少ないですが、後に訴訟などで処分の取消しを求める場合には、聴聞手続でどのような対応をとったか、処分をする行政庁がどのような見解を述べていたかは重要な資料となります。ですので、本当ならば処分がされそうになった場合には、処分後の法的手続も踏まえ、聴聞手続から代理人の関与をしてもらうのが一番ですが、顧問弁護士がいない場合などには、なかなかそこまでの対応はされていないようです。なお、聴聞手続は代理人が参加することが可能です。これらの手続をふまえ、処分がされます。