安心して面会交流を行うための方法
別コラム(コラム「面会交流を求めることはできるのか」参照)でお話したように、子どものために別居している親との面会交流を求めることができ、裁判所の審判でも認められます。別居している他方の親に子どもを面会させなければならない(面会させた方がよい)ことはわかっていても別居している相手と直接顔を会わせたくない、相手から何をされるかわからないので怖い、子どもを連れ去られる危険があるので不安である、というお話はよく聞きます。このようなご心配はわかりますが、「それでは面会交流をさせなくてよいですよ」とはなかなか言い難いところです。
では、何らかの事情で直接面会交流に立ち会うことや連絡等をすることが支障があるという場合にはどうしたらよいでしょうか。考えられる工夫方法についてお話します。
(1)代理人の立ち合い
単純に離婚事件等の代理をしている代理人(弁護士)に面会交流に立ち会ってもらうとともに必要な事務連絡をしてもらうことです。当事務所でも離婚のご依頼を受けている依頼者の方から立会いの要望を受け、弁護士が面会交流の実施の詳細を事前に予定を決め、立ち会うことがあります。この方法では、双方の親の間で安心して面会交流をできる様になるまで、立会いという形でお手伝いを代理人がすることになります。代理人である弁護士に立会いをしてもらうことにより、何らかの危険が生じうる場合には止めてもらうことができるし、予防となるわけです。具体的には、面会交流中も立ち会う方法、子どもの受け渡しを行うといった方法があります。
この場合は、通常の離婚事件(協議・調停・訴訟)に関連しますが、事件そのものと別のことを依頼することになりうるので、事件依頼(処理)費用とは別の「日当」を必要とすることはあり得ます。これについては、御依頼している代理人によく確認してみてください。
(2)第三者機関の利用
面会交流を安全に行うためのサポートをしてくれる第三者機関を利用する方法があります。第三者機関は、親子交流支援団体として、法務省のホームページ(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00286.html)に一覧がありますのでそちらを参考にしてみてみるとよいと思います。第三者機関は、NPO法人・一般社団法人・公益社団法人といった民間団体を利用することが多いと思われます。
第三者機関による面会交流のサポートは各団体によって内容は変わりますが、以下のパターンが考えられます。
●付添型:第三者機関の支援員が面会交流の場に付き添う方法です。面会交流は、最初は第三者機関指定の場所で行い、慣れてくると外部で行うことが多いようです。一番安全に面会交流を実施できる方法ですが、事前打合せ・立会い日当といった費用がかかることが予想され、費用がかかります。
●受渡し型:子どもの受け渡しを第三者機関の支援員が行う方法です。付添型と違い、面会交流中は、付き添いません。ですので連れ去りの危険がある場合などは、利用しにくい方法でしょう。単に相手方に顔を会わせたくないだけで他に心配がない場合に利用しうる方法です。
●連絡調整型:第三者機関が夫婦双方の間での面会交流実施の日程、場所等の調整を行うものです。ですので、面会交流の詳細を調製はしてくれますが、実施は双方の親で行うことになります。これを用いることができるのは、単に相手と連絡したくないだけの場合、他の方法によって相互の親の間での信頼関係ができてきた場合でしょう。調整だけのためですのでかかる費用は比較的少ないでしょう。
ここで説明したサポート内容は、一般的なものを説明しただけですので、サポート内容・方法・費用などの詳細は各親子交流支援団体にお問い合わせください。
さらに詳しいご相談の場合は、
お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
【関連業務】子ども問題 >>
【関連業務】離婚問題 >>