これまでに預貯金使い込み等が見つかった場合の対応や預貯金等の使い込みの証拠の話をしてきました。では、具体的にどう見つけるものなのでしょうか。預貯金の場合を例に説明します。預貯金の場合、通帳やそれがなくても銀行に依頼することで取引履歴を発行してもらうことができます。通帳があるが、しばらく記帳をしていないとかの理由でおまとめ記帳(一括記帳)などをされている場合には、銀行で取引履歴を発行してもらうとよいです。
さて、では通帳を例に見ていきますが、以下は1つの例です(日付、取引例も全て札名用の架空のものです)。ただ、どの銀行も似たような形式になっているかと思います。
【例】
甲野太郎という親族に通帳やキャッシュカードなどを預けていた場合
この例では、7年3月1日に30万円と7年3月21日に30万円をそれぞれ甲野太郎に振り込んでいることがわかります。甲野太郎に対して何か振込をする理由がある場合には問題はないのですが、理由がないとすれば、合計60万円は正当な理由もないのに甲野太郎に振り込んでいることとなります。≪ ①甲野太郎による60万円の利得 ≫
また、ATMで口座から7年3月11日に50万円、7年3月15日に20万円、7年3月25日に50万円、7年3月31日に30万円をそれぞれ引き出していることがわかります。通帳やキャッシュカードを甲野太郎に預けていたことから少なくとも引き出した合計150万円は甲野太郎が取得していることになります。あとは、甲野太郎が各引出をした額について引出す理由(どこかに支払わなければならないかなど)があるかどうかによります。支払などの理由があって引き出したものについては、支払のための引出なので問題はありませんが、理由がない場合には引き出した額がそのまま利得となるのです。≪ ②甲野太郎による150万円の利得 ≫
これらのことで、銀行の預金口座から60万円を甲野口座へ振り込まれ、150万円を勝手に引き出されたこととなります。合計210万円を甲野によって使い込み(利得)されている可能性があるということです。
その上で、引き出しや振込に理由があるかどうかは支払わなければならない請求書とかで確認することになるのです。特に正当な引出・支払の理由がない限り、合計210万円がそのまま使い込まれた利得となるのです。
これは一例です。ご自身の場合はどうなのか判断できない場合には、一度ご相談ください。
さらに詳しいご相談の場合は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
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