一時保護命令を受けてしまったら
児童福祉法に基づく一時保護処分がされてしまった場合、たとえ一時的とはいえ大事なお子様と分離されてしまうというのは親にとっては不安なことだと思います。ですが、まずは落ち着いてみてください。一時保護であれば、それは児童相談所が調査するとともに環境の整備を図りたいと考えているケースです。
このような場合どのような弁護士に相談したらよいでしょうか。それは、子ども関係の事件に詳しいということです。弁護士であれば誰でも訴訟などの対応はできます。そして、児童相談所長相手の折衝や訴訟となると行政事件の側面もあります。しかし、訴訟などで争うことよりもっと重要なことは、親子分離をされてしまった親の気持ちを理解してくれるとともに、子ども関係の事件に詳しいことです。一時保護の場合もそうですが、子どもがらみの事件に特有な性質として、法的な適法違法という側面よりも親子関係や家族関係といった環境を把握し、整備を一緒に考えることが重要になってきます。例えば児童虐待の事件では虐待の有無や手続の適法性の問題もありますが、重要なのはどうして虐待に至ってしまったか、そのような親子関係をこのままにしておいてよいのかということです。場合によっては、児童相談所側が黙示的に示してくれる「こうしてくれれば安心して子供を自宅に帰すことができる」という意向を察知して必要な対応をすることも重要なのです。
まずは、ご自身が本当に何をしたいのかを考えてみてください。それが、
・自分が児童虐待などしていないと正当性を主張しはらしたいのか
・早急に親子分離の状態を解消したいのか
ということです。いずれも同じ趣旨に見えるかもしれませんが、私が相談を受けてきた中でも違うことが多いです。
「正当性を主張したい」という方はどちらかというと、自分が適法であること(児童虐待などしていない)を主張し、自分の疑いを晴らしたいという側面が強いことが多いです。このような方は、子どものためにというよりは自分のためにという側面が強く、子どものための環境整備という側面を理解してもらいにくいことがしばしばあり、事件としても長期化することが多いです。
「子どものために何とかしたい」という方は、子どものために何が必要かを考えていただくことができますので一緒にどうしたらよいかを考えることができます。
自分が何を求めているのかを一度振りかえっていただき、子ども関係の事件に詳しい弁護士に相談するようにしましょう。一番良いのは、子どもに詳しい行政事件のできる弁護士ですが・・・・。
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