大学生の子どもがいる場合の養育費
離婚相談でよく相談を受けるのは、子供に関する費用の相談です。特に大学生の子供がいる場合の養育費はどうなるのかです。この種の相談には2つの問題を含んでいます。
なお、養育費と似た言葉として「婚姻費用」がありますが、その違いについてはこちらをご覧ください。
(1)養育費はいつまで請求できるのか
(2)大学の学費はどうなるのか(終期)
です。順に説明します。
(1)養育費はいつまで請求できるのか(終期)。
養育費は、子の監護に要する費用のことをいいます。養育費については、その終期について「成人になるまで」とか「大学卒業まで」とか、終期をいつにしたらよいかを相談されます。
離婚協議、離婚調停では、終期についてはしばしば成人に達する月までと条項化されることが多く、未成年の間しかもらえないのかと思われがちです。しかし、その理解は不正確です。
そもそも養育費が支払われるべき「子」とは、未成熟子。つまり、自分の資産や労力で生活できる能力がない者のことをいいます。そして未成熟子については、ア.両親の経済状況、イ.両親の学歴、ウ.希望する教育内容、エ.子の意思及び能力、オ.監護状況などの事情を考慮しつつ、どの時点を子が自立する(すべき)年齢と言えるかを判断すべきなのです。
子が自分一人で生活できるだけの資産、仕事があるかどうかとともに、親の経済状況、学歴、希望する教育進路内容などを総合して決まってくるのです。ですので、たとえば子どもは大学進学を希望しており、その能力もあり、両親の学歴・経済状況から大学卒業までを養うべきといえる場合には、大学卒業時と推認できる22歳となったときの最初の3月を終期とすることもできるのです。
なお、養育費(婚姻費用)の始期・終期についての詳しい説明はこちらへ。
(2)大学の学費は養育費として請求できるのか
前提として、養育費の終期が大学卒業相当時(22歳になった最初の3月)とされた場合に問題となります。大学の学費をどうするかは、やはり両親及び子の事情によって決まってきます。たとえば、
・親の収入がどうか
・親の学歴がどうか
・子の大学進学まで予定していたかどうか
・子の収入(奨学金,仕事など)
といった事情です。
子が大学に進学した場合、親の収入がある程度あり、親が大学卒業をしているような家庭であれば、22歳の3月までを未成熟として扱い(養育費の終期)、大学の学費も養育費として考慮されるべき(学費の扱い)でしょう。具体的にどこまで請求できるのかについてはご相談ください。
私立学校の大学生がいる場合の計算例についてはこちらへ 。
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