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行政調査について

許可取消などの処分がされる場合には事前の手続が重要であることは「聴聞手続について」にて説明しました。そして、聴聞などの手続が法的に予定されている場合には、代理人を立てて言い分を述べておくとともに、訴訟のための資料を収集しておくこと、証拠のための手続として聴聞手続を利用する意味があることを説明しました。詳細は、「聴聞手続について」をご覧ください。
同時に重要なものとして存在するのが「行政調査」手続です。イメージがつきにくい言葉ですが、何らかの処分をするかもしれない違反事実などの存在が疑われた場合に、行政庁が調査をする場合です。
まず刑事的な犯罪調査がされる場合は、調査自体が刑事手続内で行われるので刑事訴訟法などの刑事法で適法手続が保障されるとともに、刑事事件ですので弁護人選任ができますので弁護人として手続を保障することができます。風営法違反事件など○○法違反事件として、警察などの捜査を受けている場合です。たとえば風営法違反による営業許可取り消し処分はこのケースに当たるでしょう。通常は刑事手続への対応だけで精一杯で後の行政処分まで考慮して対応することはないかもしれませんが、刑事手続への対応に際しては将来の行政処分のことも考慮に入れつつ、手続に対応する必要があるのです。刑事手続での対応(調書や捜査記録など)がそのまま行政処分を判断する上での資料になってしまうのです。ですので、逮捕まではされていないから弁護人の選任までは考えないかもしれませんが、弁護人を選任することでしっかり刑事手続内での対応についてもサポートをしてもらっておくことが必要なのです。
問題となるのは刑事的な犯罪調査がされない場合です。この場合は、刑事訴訟法による手続の保障がされません。黙秘権や自白の原則などの重要な手続的保証がされていないために、行政庁の調査への対応(無理やり言わされたりした場合)がそのまま行政処分のための証拠になってしまうのです。この場合にこそ、将来の行政との戦いを考慮して弁護士によるサポートが必要なのです。税法の各事件については、国税通則法などで手続的な保証がされるようになってきている上、税申告に関する税理士によるサポートがされているので、「税務署のいうがまま」になってしまうことは少ないかもしれませんが、後の訴訟まで考えると行政訴訟をする上での弁護士によるサポートを受けておくことが重要かもしれません。さらにいうと、十分な法的な整備がされていない他の分野については、調査段階からの弁護士によるサポートがその後の処分を争う上でも重要なのです。調査の場面への弁護士の立ち合いをすることで行政庁に適切な調査をさせることができ、理不尽な聴取をされないで済むこともあるのです。行政調査はその場しのぎではなく、後日されるかもしれない行政処分を考えておく必要があるのです。


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