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私立学校の学費は婚姻費用・養育費ではどう考えるか

夫婦の間で養育費や婚姻費用が問題となった場合には、算定式があり、この式に基づいた算定表があることは述べたとおりです(「養育費(婚姻費用)算定表と教育費」参照)。
そして、子供がいる家庭において、一番問題とされるのは教育費です。婚姻費用や教育費の算定の際、教育費はどう考えられているのでしょうか。
そもそも婚姻費用や養育費算出の際に、「教育費」として考慮されているのは、「公立学校に通った場合の教育費」です。ですので、子供が私立学校に通学している場合には、私立学校と公立学校の教育費の差額について、権利者と義務者で分担した額を加算することになります。

公立学校の教育費・私立学校の教育費不足分の具体例

具体的に考えてみましょう。
婚姻費用や養育費算定の際には、生活費の指数(標準家庭の世帯平均年収を元に算定された割合)を基に計算します。
そして、大人を100とした時に、子供は、
0歳から14歳の子供: 生活費が62の内、教育費は11
15歳以上の子供: 生活費が85の内、教育費は25
とされます。

例)義務者基礎年収350万円、権利者基礎年収200万円、子(15歳)の学費90万円の場合
まず、子の生活費: 15歳の子の生活費が85ですので、親の生活費を100とし、
(350万円+200万)× 85 100 + 100 + 85 = 約164万円3500円
これをもとに子の公立学校相当教育費: 生活費85のうち25ですので
164万3500円 × 25 85 = 約48万円4850円
事例での私立学校教育費不足額: 実際の学費(90万円)から公立学校相当教育費(先の48万3500円)を控除したのが、差額ですので
90万 - 48万4850円 = 約41万円5150円となります。
そして、これを双方の収入割合で分担すると: 合計550万円のうち義務者の割合は350万円ですので、義務者が負担すべき教育費不足額(年)は、
41万5150円 × 350万円 550万円 = 約26万4186円(年)
年額を月額に計算すると、26万4186円 ÷ 12 = 約2万2000円
よって、この場合の私立学校教育費に伴う加算額は、2万2000円となります。
※ ただし、これは1つの考え方を示した例です。

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